• コラム

2015年9月15日 | 中国

急発展を遂げる中国サッカー、その急先鋒「広州恒大」の世界最大サッカーアカデミーに迫る

去る8月下旬、アジアナンバーワンクラブチームといって過言ではない「広州恒大FC」のサッカーアカデミー「恒大足球学校」を訪問した。

もはや説明不要かもしれないが、広州恒大は2010年のクラブ創設以降、多々のタイトルを総ナメし、ACLの優勝経験もある有名クラブ。
監督にリッピ、カンナバーロ、スコラーリというドメジャーを招聘し、最近ではロビーニョの獲得も話題となった。
現在もACLで準々決勝まで駒を進めており、9月15日にはホームで柏レイソルと対戦する。

そのクラブが持つアカデミー、「恒大足球学校」は日本でいう小学3年生から高校3年生までを対象に約2800人もの生徒を抱えるマンモス校。
50面という世界最大規模のピッチ数を持つことで有名だが、実は「文武両道」を掲げており、ネイティブ英語教師を擁するなど基礎教育にも注力している。

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サッカー指導面においてはスペインのレアル・マドリーと提携し、現地からコーチを招聘するほどの力の入れ具合だ。
広大な敷地内にはグラウンドのみならず、宿舎、食堂、映画館、レストラン、遊戯施設、バスケットコート、テニスコートなどがあり、立派な大学のキャンパスのような様相だ。
昨今は国際大会の実施をにらみ、来訪した選手たちが泊まれるような宿泊施設も準備中。

一方、インフラ面では整っているように見えるが、外部との試合環境はあまり恵まれていない。
海外のチームとの交流はほとんどできておらず、国内でも決して公式戦の数は多くない。
このあたりのソフト面は次は現地での課題となっている。

また一部ニュースでも報じられているように、中国政府より今年の3月16日に中国サッカー改革発展方案が発布された。
50項目にも及ぶ方案は想像を超える規模になっており、今後10年間でサッカー産業を100兆円するという目標が掲げられている。
その中ではサッカーを学校教育に組み込むことが義務付けられており、現場では指導者不足、ピッチ不足に悩まされているそうだ。
現場の関係者からは「とにかく必要な物は時間だ」という声が上がってきている。

一見、巨大な資金力を武器に強化を図り、なんでもできてしまいそうな中国サッカーの状況・環境だが、
足元はまだまだ課題が多い。中国経済にも陰りが見え始め、多くのクラブが頼っている「不動産マネー」もいつ何時バブルが弾けるかも分からない。
(広州恒大は半分は恒大集団という不動産事業を中心としたグループ企業、もう半分はタオバオという有名なeコマース事業の企業が保有している)

Jリーグのアジア戦略というとその多くが東南アジアに目を向けているが、
実際には隣国中国でも多くの課題を抱えており、Jリーグや日本サッカーに学びたいという点も多いようだ。
実際に現地に足を運び、関係者の生の声を聞くと、その期待を多く感じた。

アジアサッカー研究所としても、彼らと日本サッカーを繋ぎ、両国そしてアジア全域の発展につなげていきたいと考えている。

(アジアサッカー研究所/松下・四方)