• コラム

2016年1月3日 | カンボジア

カンボジアサッカー、激動の2015年を振り返る

写真 2015-09-04 0 03 45

2015年のカンボジアサッカーはネガティブなニュースから始まった。1月のトライアジアプノンペンFCの親会社の撤退、そして3月のリーグ開幕延期とそれに伴うアルビレックス新潟プノンペンの撤退。カンボジアリーグの所属する12チームのうち日系2チームがいずれも撤退するという衝撃的なニュースで幕を開けた。

そして2015年のカンボジアサッカーに関する最大のニュースと言えば、W杯予選での日本との対戦だろう。カンボジア代表チームは3月に行われたマカオとのW杯アジア1次予選を勝ち抜き、カンボジアサッカー史上初めて2次予選に進んだ。4月に行われた抽選会で日本と同組を引き当てて(確率は1/8だった)、FIFAランキング179位のカンボジアがFIFAランキング50位の日本と真剣勝負をするというカンボジアサッカーにとって歴史的な1年となった。

それではカテゴリーごとに2015年のカンボジアサッカーを振り返ってみよう。


【カンボジア国内リーグ】

写真 2015-10-28 16 12 50

例年1月末に開幕するのだが、2015年はオリンピックスタジアムの改修遅延で7月開幕となったため、わずか4ヵ月の間に、週2試合というハイペースでリーグ戦をこなすことになった。雨季も重なり選手達にとってはハードな戦いとなったが、2015年からスタジアムを持つチームはホームゲーム開催をしたり、レギュラーシーズン後にプレーオフを開催したりするなど国内リーグの発展に向けた取り組みを感じることができた。人気面では並みいる外国人選手達を抑えてカンボジア人ストライカーのチャン・ワタナカ選手が得点王となり、国際大会でも活躍するなどサッカー人気を牽引している。

2015シーズンは過去最多の日本人選手15名が所属し、世界各国のトップリーグの中でも最もプレーする日本人が多いリーグの一つとなった。また、唯一の日系クラブのカンボジアンタイガーFC(前・トライアジアプノンペンFCが)は親会社撤退という困難を乗り越え、2014年に選手として同クラブに移籍した木原正和氏が監督兼任という難しい役割を全うし、新しい船出となった2015年で、レギュラーシーズン3位という好成績を残した。


【カンボジア代表チーム】

IMG_95362015年はシンガポールで開催されたSEA Games(東南アジア競技大会)とW杯アジア2次予選の二つの大きな大会に参加。SEA Gamesではグループリーグ敗退となったものの、2009年大会以来の勝ち星をあげるなど、僅かではあるが希望を見出すことができた。

W杯アジア2次予選では、2015年末時点でグループリーグ1試合を残して最下位での敗退が確定しているが、他グループで下位チームが上位チームに軒並み大差をつけられる中、日本代表に対して2試合トータルで0-5と健闘を見せた。

人気の面では、5.5万人収容のオリンピックスタジアムが超満員になるなどW杯2次予選全体の中で最も多い観衆を集め、収益の面でも、代表戦によるチケット収入拡大やヤンマーの代表スポンサー就任など全体的には着実にステップアップしていることが感じられる。


【カンボジアアカデミー】

昨年に引き続いてGFA Soriyaが主催するU15を対象とする国際大会が行われた。前大会では2位のU14岐阜県選抜に次いで3位だったカンボジアU14代表チームは、1年を経た今大会の決勝でU14岐阜県選抜に勝利し同大会のタイトルを獲得した。これは育成年代におけるカンボジアサッカーの成長を示す結果の一つと言えるだろう。


2015-12-12 18.48.40

そして、2015年カンボジアサッカーを締めくくったのはカンボジアレギュラーシーズンを制覇して12月のトヨタメコンカップに出場したボンケット・アンコールFC。ラオス、ミャンマーの王者との戦いを制して決勝トーナメントに出場し、2014年同大会で優勝したベトナムリーグ王者のビンズオンを準決勝3-2で破り、決勝戦ではタイリーグ王者であるブリーラム相手に0-1と善戦するなど東南アジアのサッカー関係者を驚かせた。

そして最後に、カンボジアサッカー界において忘れてならないのは日本人関係者の活躍だ。レフェリーの指導のためにカンボジアに渡って今年で8年目になる唐木田氏をはじめ、昨年からアカデミーチームの指導にあたる壱岐氏、2015年3月に着任しカンボジアサッカー協会で技術委員長を務める小原氏がカンボジアサッカー界に足りない経験の部分を補っている。

激流の中でも着実な成長を見せるカンボジアサッカーに2016年も注目だ。


(アジアサッカー研究所/吉田)