• コラム

2016年12月14日 | インドネシア

アジア4強を目指すインドネシア、日本のクラブをパートナー指名


インドネシアのフットサルは、アジアのベスト4入りを目指して強化の真っただ中にある。


インドネシアサッカー協会(PSSI)が政府による介入を理由に、国際サッカー連盟(FIFA)から制裁を受け、フットサルも同様に約1年間の活動停止を余儀なくされたのは誤算だったものの、この制裁が解けて国際舞台に復帰すると、すぐに代表チームを中国の江蘇省で行われたCFA International Futsal Tournament 2016に送り、エジプト、ミャンマー、そしてホストの中国との4カ国対抗戦で2勝を挙げ、ファンに光明をもたらした。


また女子カテゴリでは、リーグ優勝したKencana Angelsが、8月にミャンマーで行われたAFF FUTSAL CLUB CHAMPIONSHIP 2016(東南アジア選手権)に出場して優勝を飾り、インドネシアの躍進を象徴するヒロイン扱いとなっている。


12月に行われたフットサル連盟総会では、全国から関係者が一堂に会して躍進を誓った。

12月に行われたフットサル連盟総会では、全国から関係者が一堂に会して躍進を誓った。


1年間の活動報告と次年度以降の計画書はこれだけの厚み。アジア各国との比較から設定した目標も明記されており、インドネシアの本気が伺える。

1年間の活動報告と次年度以降の計画書はこれだけの厚み。アジア各国との比較から設定した目標も明記されており、インドネシアの本気が伺える。


鬱憤を晴らすかのように、外国との交流をますます盛んにするインドネシアだが、そこでパートナーとして選ばれた日本のクラブがある。Fリーグに所属するバルドラール浦安だ。浦安は、2015年4月に実施したインドネシア・ジャカルタ遠征をきっかけに、アジア各国との交流をプロジェクト化し、ネットワークづくりに取り組んでいる。FIFAによるPSSI制裁が解けたのちも、両国の良好な関係は保たれており、インドネシアフットサル連盟は浦安に対し、オブザーバーとしての会議出席を認めているほどである。


インドネシアのプロフットサルリーグに所属する15 クラブ(2016年現在)のうち、まず動いたのがマタラムFC。世界有数のリゾート地バリ島に隣接するマタラム市(ロンボク島)を本拠とするマタラムFCは、フットサルをきっかけとした「洗練された人材の輩出」をビジョンとしているクラブだ。


マタラムFCは、いち早くバルドラール浦安との協力関係を結ぶと、11月にはチーム強化のため、インドネシアのクラブチームとして初めて、日本人指導者を招いての短期トレーニングを実施した。浦安は、元フットサル日本代表でクラブのテクニカルディレクターを務める高橋 健介を現地に送り、これに応えている。


現地コーチを補佐しながら、マタラムFCを指導する高橋健介テクニカルディレクター。日本フットサル黎明期からの経験に基づき、選手の能力や適正を瞬時に見抜いて、アドバイスを送る。

現地コーチを補佐しながら、マタラムFCを指導する高橋健介テクニカルディレクター。日本フットサル黎明期からの経験に基づき、選手の能力や適正を瞬時に見抜いて、アドバイスを送る。


マタラムFCとの交流を開始したバルドラール浦安。インドネシアのフットサルを成熟させるためには、今後も継続的な指導が求められる。

マタラムFCとの交流を開始したバルドラール浦安。インドネシアのフットサルを成熟させるためには、今後も継続的な指導が求められる。


次に動いたのは、インドネシア第二の都市スラバヤを本拠とするクラブ、ビンタン・ティムール・スラバヤだ。ビンタン・ティムールは12月、インドネシアのクラブとして初めて日本遠征を行い、6日間の滞在中にバルドラール浦安と強化試合を2試合実施した。


バルドラール浦安がインドネシアに遠征した際に、PSSIよりスラバヤにも行って試合をして欲しい、というオファーを受けたものの、その際浦安はジャカルタで複数の社会貢献活動を抱えていたため、スケージュール上断念せざるを得なかった経緯があった。今回はこれを逆にインドネシアから来日するという形で実現した。


インドネシアのチームとして初めてゼビオFリーグの観戦に訪れたビンタン・ティムール・スラバヤ。

インドネシアのチームとして初めてゼビオFリーグの観戦に訪れたビンタン・ティムール・スラバヤ。


バルドラール浦安セグンド(関東フットサルリーグ)、プリメーロ(Fリーグ)と2回行われた強化試合は、2試合とも7-1でバルドラール浦安が勝利した。

バルドラール浦安セグンド(関東フットサルリーグ)、プリメーロ(Fリーグ)と2回行われた強化試合は、2試合とも7-1でバルドラール浦安が勝利した。


このようにインドネシアと日本のネットワーク構築は現在のところ順調に進んでおり、今後も双方向のアプローチは増えてゆくことになるだろう。フットサルを通じた国際交流を続けた結果、両国間にどのような副産物が生まれるのかもまた、これからの楽しみである。


(アジアサッカー研究所/長谷川)