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2017年1月24日 | インド

世界中が注目するインドサッカー市場が生まれた2016年


2016年、インドサッカー界はまた一段と進化をした。Iリーグ所属ベンガルールFCのインド史上初となるAFCカップ決勝進出、ロナウジーニョやライアン・ギグスなどスター選手たちを召集したプレミア・フットサルの開幕、インド人初となるラ・リーガプレーヤーの登場、FIFAランキングも2015年3月の173位から大きく順位を上げて2016年12月には135位となった。もちろんインドスーパーリーグも今まで以上の盛り上がりを見せた。2016年は日本人プレーヤーも登場し活躍した。マーキープレーヤーには元セレッソ大阪のディエゴ・フォルランも選ばれ、リーグを盛り上げた。

インドサッカー市場が注目され始めた理由には大きく2つある。1つはインド富裕層による潤沢な資金源。2つめは、国内リーグのレベルが上がり、アジアの大会でも決勝に進出できるほどの技術力をつけたということだろう。

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まず、1つ目のインドの富裕層による潤沢な資金源だが、インドスーパーリーグやプレミア・フットサルというバブリーな大会として顕著に現れている。両リーグの資金源としてビジネス界、ボリウッド映画界、クリケット界からと強力な投資家が名を連ねているのだ。そのため、世界各国から有名選手たちをインドに召集することが容易になっている。

プレミア・フットサルではロナウジーニョ、ギグスに加え、ミチェル・サルガド、エルナン・クレスポ、ポール・スコールズ、カフー、ファルカンという世界的スター選手がインドでプレーすることになった。わずか10日間の大会であったが、テレビ中継も好調でインドのみならず、世界中にファンを増やした。

サッカーファンなら誰でも聞いたことがある選手たちなので、広告効果も高く、シーズン2の開催も決定し、デイビッド・ベッカムやカカの参戦も噂されている。ガレス・ベイルやネイマール、ジネディーヌ・ジダン、クリスティアーノ・ロナウドも大会を支援している。


2つ目の国内サッカーのレベルアップに目を移すと、AFCカップで初の決勝進出を果たしたベンガルールFCの存在が大きい。同大会で決勝戦こそ惜しくも負けてしまったが、インドのクラブチームがアジアの各国クラブとも同等、またはそれ以上に戦うことができるという印象を強く残した。ベンガルールFCはインドスーパーリーグには所属しておらず、インドで初めてプロリーグとして設立されたIリーグに所属するチームだ。

インドのリーグとしては、インドスーパーリーグのことがよくメディアに取り上げられているが、Iリーグは世界的に有名な選手も所属しておらず、技術力も低いイメージが強い。しかし、なぜ近年、Iリーグもレベルが上がり始めたのか。それは、Iリーグとインドスーパーリーグの開催時期が異なり、Iリーグに所属している選手がインドスーパーリーグにも所属できるため、世界中から集められたレベルの高い選手とのプレー経験ができるからだ。

ベンガルールFCキャプテンのスニル・チェトゥリも例外ではない。IリーグのシーズンではベンガルールFCのキャプテンとして試合に出場し、シーズンが終わるとインドスーパーリーグのムンバイシティFCにて試合に出場。チームメイトにはフォルランがいて、対戦相手にも常に多数外国人プレーヤーがいるので、インドにいながらしてサッカー先進国でのプレーするような経験を積むことができるのだ。

インドスーパーリーグでは、指導者としても、ジーコ、マテラッツィ、ザンブロッタなどのビッグネームが監督として招聘されている。このことにより、Iリーグでプレーする選手のレベルも向上した。

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これら二つの要因からインドサッカー市場が注目を浴び出した。それにより、インド人初のスペインリーグプレーヤーが誕生したり、多くの有名選手たちがインドに足を運ぶようになったりした。2016年にはジネディーヌ・ジダン、ティエリー・アンリ、リヴァウド、ライカールトなどもインドを訪れ、インドサッカー関係者と会っていた。まさにインドサッカーが注目し始める年となった。

2017年は、U-17W杯がインドで開催される。将来、インドでW杯を開催するための最初のステップと言えようか。U-20W杯にも立候補する意向を示しているので、絶対に成功させなければならない大会だ。さらに2017年にはIリーグとインドスーパーリーグの統合も検討されている。両リーグが統合することにより、さらにインド国内のレベルが上がるだろう。まだ注目され始めたばかりのインドサッカー。これからさらに注目度が増すことに違いない。

(アジアサッカー研究所/木米 貴久)

※ 本稿は「ハーバービジネスオンライン」にも掲載しています