• コラム

2015年1月3日 | カンボジア

2014年、激変の新興カンボジアリーグ、日本との繋がりが加速

IMG_3195カンボジアサッカー、と言っても日本のサッカーフリークの中ではまったく知名度がないだろう。しかしながら、このカンボジアの地にもプロサッカーリーグが存在し、日本のマネジメントが入っているクラブが2つも存在する。一つが「アルビレックス新潟プノンペン」だ。

アルビレックス新潟プノンペンは、その名の通り、Jリーグクラブ、アルビレックス新潟の名前を冠する。2004年から活動しているアルビレックス新潟シンガポールを知っている人はいるかもしれないが、同様にこの首都プノンペンにもアルビレックスのチームが存在する。(ちなみにアルビレックスはスペイン・バルセロナにもチームを持っている)2014年に急遽1部リーグから参戦することになり、カンボジアサッカー界の中では話題になった。しかしながら、シーズン開幕直前であったため、選手の獲得や強化に出遅れ、結果的にはリーグ最下位で2部リーグとの入れ替え戦へ回ってしまった。(結果的には入れ替え戦で残留を決めた)

もう一つは「トライアジア・プノンペンFC」である。トライアジアは、総合商社としてカンボジアで活動している日系企業で、同様に首都プノンペンをベースとしている。2013年に2部リーグから圧倒的な成績で昇格を果たし、2014年シーズンも12チーム中5位でフィニッシュしている。

両チームともにマネジメントおよび監督は日本人、登録できる5名の外国人選手枠のほとんどを日本人選手が占めている。今シーズン、カンボジアリーグに所属する日本人選手は15名にものぼり、元横浜Fマリノスの深澤仁博や、元アビスパ福岡の木原正和などJ1経験のある選手も加わった。

アルビレックスのメインスポンサーには、2014年6月にオープンしたイオンモールのAEONがついており、またトライアジアFCも自社の持つテレビ局と同様にサッカーチームの媒体価値を高く評価しており、カンボジア国内での認知度向上にサッカーが一役買っている。リーグ戦ではないが、カップ戦には不動産業のスターツやパナソニックも協賛している。

IMG_6377また、二輪自動車メーカーのヤマハが「ヤマハチャレンジカップ」と称したU-14世代の国際大会を開催し、元ベガルタ仙台育成部の壱岐友輔監督率いるカンボジアU-14と日本のチームとの対戦が行われるなど、日本企業やサッカー協会がカンボジアを支援しているケースもでてきた。また元Jリーグ審判員の唐木田徹氏がカンボジアリーグのレフェリーダイレクターとしても活躍している。(ヤマハはマーケティング活動の一環としても、カンボジア第二の都市バッタンバンでも子供たちへのサッカースクールキャラバンも実施している)

U-14カンボジア代表は2023年のSEA Games(東南アジア競技大会)の自国カンボジア大会での優勝を目標に強化されている世代で前述の壱岐監督の指導に加え、日本からは国際交流基金からのサポートも受けて、日本やタイへの遠征を実現している。

大手広告代理店電通の関連会社「電通スポーツアジア」は1部リーグの強豪チーム「プノンペン・クラウンFC」(今シーズン優勝)との戦略的パートナーシップ契約を締結するなど、同国のサッカー界での活動に力を入れている。2015年シーズンのリーグスポンサーシップなどにも貢献するとみられている。


IMG_9638プノンペン市内にあるオリンピックスタジアムの改修(人工芝化)が2015年シーズンのリーグ開幕に間に合わないことが判明したり、かねてよりのホーム&アウェイ化への移行が取りざたされていたりと、依然として不明瞭なことが多いのが同国のリーグ運営の特徴であるが、日本企業やサッカー界の貢献により、カンボジアサッカー環境は徐々に整備されつつある。外国人枠に新たにアジア人枠を創設する動きもあり、その場合、今よりもさらに日本人選手の加入の流れが加速する可能性も高い。

(アジアサッカー研究所/四方)