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2015年1月9日 | インド

大注目を集めた2014年、インドサッカーの今後の展望

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インドサッカーにとって2014年は非常に重要な1年となった。理由は言うまでもなく、インド・スーパーリーグ(ISL)が開幕したためだ。

開幕前には、往年の名選手が続々参戦するというニュースが連日のように報じられ、日本のサッカーファンの間ではJリーグ草創期を彷彿とさせる現象として、しばしば話題になった。日韓ワールドカップで活躍した世代の選手が多くISLに参戦したことも注目を集めた理由の一つだろう。

世界的ビッグネームの参戦は、当事国のインドでも潜在的に存在していたサッカー人気に火をつけた。このことは、2014年シーズンのISLの動員数、ソーシャルネットでの拡散数、各種の数値的な情報からも読み取ることが出来る。間違いなくインド国内においてインドサッカーのプレゼンスを高めることにつながった一年と言える。

但し、現時点ではマーキープレーヤーによって話題や注目を集めることに成功したものの、肝心なインドサッカー自体に対する関心はまだまだ低いというのが現状だ。この点については、ルイス・ガルシア(ISL初代王者アトレティコ・コルカタ主将)やジーコ監督(FCゴア)が以前インタビューで答えているように、ファイナルで決勝ゴールを決めたモハメッド・ラフィークのような才能あるインド人選手達の可能性に目を向け、より育成に力を入れていくことが、インドサッカーの未来を作っていく道標となる。

その点においては、欧州の名門クラブがインド国内で今後、ワークショップやアカデミー設立を計画しているとしており、インドサッカーの人気向上とともに育成へのシフト、また、ビジネスとしてのサッカーマーケットの拡大が始まろうとしている。

インドサッカーと日本サッカーとの連携という観点で2014年シーズンを振り返ると、東南アジアの各国と比べた場合、インドと日本の関係する大きなニュースはほとんどなかった。現実的には、日本サッカー界がインドマーケットを狙っていくことはまだ先のことなのかもしれない。

一方で、既存のインドリーグ(Iリーグ)でプレーする日本人選手がいるのも事実だ。こういったプレーヤーが活躍することで今後、日印サッカーの距離が縮まっていく可能性は考えられる。

何にしてもインドサッカーは2014年に大きな一歩を踏み出した。しかし、そこで歩みを止めてしまっては意味がない。やはり今後の課題としては、インド人選手の活躍、ブームとしてのサッカー人気ではなく、恒常的な人気を獲得することが求められる。そのためには、ISLへの関心をいかにIリーグにシフトさせていくかが重要だ。この他にも来季のISLの運営やサッカーが身近になる環境づくりなど、多くの対応が必要となるが、インドサッカー連盟やスポンサーなどが統一したビジョンを持って取り組んでいくことを期待したい。インドにおいて、計画的にものごとが進むというのは無理な話かもしれないが、牛歩だとしても着実に前進していくことが望まれる。

一国1トップリーグ、1協会を基本ポリシーに掲げるFIFAとしては、国内に2リーグ(IリーグとISL)が並列に存在することは看過できないだろうが、インドサッカー連盟やインドのサッカーファンの本気度次第で今後、FIFAがどのような特別措置や支援を行うかにも注目が集まっている。また、Jリーグにおいても、このFIFAの方針表明が見えてきた時点から本格的にコラボレーションを仕掛けていくものと思われる。

(アジアサッカー研究所/伊藤)