• コラム

2015年1月15日 | タイ

タイサッカー2014レビュー(2):拍車のかかる日本人選手と指導者の渡タイ


2015年はJへの復帰が決まった、チョンブリーFC和田監督。


2014シーズンのTPLでは、日本人選手が23名、D2までを含むタイリーグ全体では、60名以上がプレーした。タイのクラブでプレーする外国籍選手の数では、世界最大の選手輸出国であるブラジルを抜いて日本が1位。カレン・ロバート(スパンブリー)、西 紀寛(ポリス・ユナイテッド)、茂庭 照幸(バンコク・グラス)、岩政 大樹(BECテロサーサナ)など、日本代表を経験した選手が相次いで移籍し、その高待遇が日本にも伝えられたのでご存知の方も多いだろう。またブリーラム・ユナイテッドで活躍していた平野 甲斐が、シーズン途中に同じくACLを戦うJリーグのセレッソ大阪に引き抜かれ、「逆輸入」移籍を果たした。元名古屋グランパスの杉本 恵太(チェンライ・ユナイテッド)をはじめ、TPLの競争で勝ち抜きながらJリーグへの復帰を目指す選手はいるが、これはそれが実現した初のケースであった。

日本人指導者も各リーグで活躍した。TPLでは、前述の通り和田 昌裕監督のチョンブリーFCが優勝を争い、和田監督はリーグ年間最優秀監督賞を受賞。D1では神戸 清雄監督率いるナコンラチャシマーFCが優勝、チームはTPL昇格を果たした。さらに、D2では滝 雅美監督率いるタイホンダFCがレギュラーシーズン優勝を果たし、D1に昇格している。


滝監督率いるタイホンダの試合会場に掲出してあるバナー。


TPLクラブのチーム強化は非常に積極的で、特に有望な選手や指導者の供給源として日本に目を向けていることは確かである。当研究所も、あるチームオーナーから「近年の日本代表で、いちばん上手いストライカーは誰か?」というテーマで意見交換を求められたことがあった。その後、タイの複数クラブ関係者が視察ツアーを組んで日本を訪れ、J3のSC相模原ホームゲームに現れたという情報も入っていた。誰に狙いを定めていたのか、賢明な読者の方ならお分かりだろう。


このように、選手の移籍は当たり前のことになりつつあるが、注意しなければならないのは、タイが日本人選手にとって、特別に甘い蜜を吸える花園ということではない。日本の選手にとって高待遇ということは、他のアジア各国やブラジル、ヨーロッパやアフリカの選手にとっても高待遇だということ。TPLはその名の通り「プレミア化」しているのだ。Jクラブに入団が叶わず、次の選択肢としてタイでのプレーを口にする選手が増えてきているが、TPLでプレーすることイコール、日本国内リーグ以上の激しい競争に晒される、ということは覚悟しなければならない。

(アジアサッカー研究所/長谷川)

>>タイサッカー2014レビュー(3/3)へ続く


チェンライの村上選手(#2)。激しいポジション争いを勝ち抜くため、練習から高いパフォーマンスを出していく。