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2015年3月22日 | 日本

Jリーグ U-16チャレンジリーグ開催!アジアから初参加 4チームの勝機は?

本日3月22日(日)から、静岡・茨城・大阪の3会場で「2015Jリーグ U-16チャレンジリーグ」が始まった。この大会はJリーグ会員クラブのユースチームを集めて毎年行われており、今回で第8回目を数える。今年の注目は、Jリーグのアジア提携リーグから4チームが初めて招待されたことだ。


各チームの招待には、先日、日本サッカー協会・Jリーグと「アジアにおけるサッカー交流ならびに恊働事業に関する覚書」を締結した独立行政法人国際交流基金アジアセンターの強力なサポートがある。Jリーグが推進するアジア戦略の基幹活動のひとつ「アカデミー年代の親善試合の開催」にさっそく活かされた形だ。


Jリーグプレスリリース

(日本語)http://www.jleague.jp/release/post-34435/
(English)http://www.jleague.jp/en/release/post-34479/


この大会に参加する提携リーグからの4チームは次のとおり。彼らチームについてリサーチを行ったので、現在分かっている範囲で紹介しよう。


タイ     : CHONBURI FOOTBALL CLUB

マレーシア  : FRENZ UNITED FOOTBALL CLUB

インドネシア : PERTAMINA SOCCER SCHOOL

ベトナム   : PVF


チョンブリーFC(タイ)は、ACLでの対戦やヴィッセル神戸との提携でアジアサッカーに詳しい方であればおなじみのチーム。Jリーグ開幕前夜、日本サッカーリーグ(JSL)のヤンマーで釜本邦茂、鬼武健二、ネルソン吉村らとプレーしたタイサッカー界のレジェンド、ヴィタヤ・ラオハクル テクニカルダイレクターのもと、日本のJクラブやドイツのクラブを手本に下部組織をいち早く取り入れて育成環境を整備、タイの中で一番強いユース組織を作り上げた。日本のJクラブはおろかヨーロッパのクラブに対しても互角以上の勝負で退けるほどの強豪。


フレンツ・ユナイテッド(マレーシア)は、今回招聘されているマレーシアチームのほか、インドネシアとイランの3カ国に展開しているサッカーアカデミー。シンガポール人のマーケティングダイレクターのもと、アジア横断的に選手を発掘し育成、ボトムアップでクラブを整え、将来的に画策されているASEANスーパーリーグへの参加を狙っている組織だ。国際ユース大会への出場や、日本代表アンダーカテゴリとの対戦履歴もあり、国際試合の参加に対する負い目は全くない。


プルタミナ・サッカースクール(インドネシア)は、2011年1月に設立されたNPO法人PERTAMINA FOUNDATIONによるサッカーアカデミー。教育や自然保護分野からインドネシアの社会問題解決に取り組む団体で、設立ビジョンは「インドネシアがより進化し、より緑が多くなるために、社会全体を活性化する基盤となる」こと。大学設立や植樹活動などビジョンを実現する活動の一環として、若くて才能のある将来の代表候補を育てるサッカースクールを運営しており、ACミランやユベントス、ガンバ大阪とも共同でスクールを実施している。海外クラブとの交流についてはJクラブと同等かそれ以上。


PVF(ベトナム、和訳/ベトナムサッカー選手才能開発投資ファンド)は、ベトナムのファンド会社や不動産開発会社(ティエンタムファンド・ビンコム社・ビンパールランド社の3社)により2008年12月に設立されたアカデミーで、プロチームではないが実力的には国内トップクラスの育成組織。所属するのは全て10〜19歳の育成年代の選手。ベトナム全土で2カ月かけプロサッカー選手を目指す11~12歳の少年120人を選出し、50人にしぼった後、7年間無料でサッカー選手として育成する。国際試合の実績は不明だが、PVFと同等クラスのソンラム・ゲアン(SLNA)ユースチームが日本に招待され、親善試合でJクラブ下部組織に圧勝した情報もあり勝機はありそう。


以上のとおり、これら4チームに共通するのは、日本のJクラブよりも広範囲にスカウティングされた精鋭が、すでにヨーロッパとも繋がる恵まれた環境でトレーニングを受けているスポーツ・エリート集団だということだ。Jクラブのユースチームの指導者は、「アジアの新興国からやってきた、日本に学ぼうと思っている子ども」として接したら、必ず痛い目にあうだろうし、Jリーグ側がこれらチームを招聘したというのは、少なからずそういう機会を演出しようという意図があるようにも思える。


いずれにせよ、Jリーグの目指すアジア独自のサッカー文化圏の創出のためには、日本とアジア各国の相互理解が不可欠。日本のチームが出て行くのみの一方向的なベクトルだけではなく、アジア各国のチームや選手が定期的に来日するという双方向のベクトルを完成してこそ相手国へのメリットが出せるわけで、そうすることで「国際交流」も深化する。


Jリーグのプレスリリースにも「この日本滞在の機会に、日本のサッカー少年・少女やリーグ開催地にお住まいの方々との交流を深め、日本文化を知り、親しむ体験の場も提供する」とある。出場する各Jクラブチームの関係者だけでなく、興味のある方は会場に足を運んで、これらアジアのチームの指導者たちとの交流を深めてみてはいかがだろうか。


(アジアサッカー研究所/佐藤・長谷川・平井)


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