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2016年11月17日 | シンガポール

東南アジア版チャンピオンズリーグ「ASEANスーパーリーグ」、来年9月開幕を目指して調整中


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ASEANスーパーリーグ(ASL)の来年9月開幕を報じるシンガポールの英字紙「TODAY」

東南アジア各国から参加クラブを集める「ASEANスーパーリーグ(ASL)」が、2017年9月の開幕を予定していると報じられ、国内のサッカーファンの間で話題となっている。総人口6億人以上の巨大マーケットである東南アジア全域をカバーするリーグが発足すれば、アジアのサッカーシーンにも大きなインパクトを与えることが期待されるが、先行きはそれほど明るいものではないようだ。

シンガポールの英字紙「TODAY」によれば、第1回のASLは2017年9月から2018年4月の開催を予定しており、ASEANサッカー連盟(AFF)加盟国から各1~2チームが参加して、10チーム程度で発足することが計画されているという。AFF加盟12カ国のうち、オーストラリアと東ティモールはASL発足に向けた話し合いには参加していないとみられている。

現時点ではASLへの参加クラブは一切明らかにされていないが、シンガポールからは2012年から隣国マレーシアのリーグ戦に参加して昨年末で解散した「ライオンズXII(トゥエルブ)」を再結成して参戦することが有力視されている。また、ASL発足を準備しているプロジェクトチームが、マレーシアやタイの複数クラブと接触しており、フィリピンやインドネシアのクラブとも話し合いを進める予定と報じられている。

しかし、ASL発足には多くの課題が残されている。参加クラブが国内リーグと並行して戦うAFCチャンピオンズリーグ(ACL)などと異なり、ホーム&アウェーのリーグ戦で争われる予定のASLでは、国内リーグとの掛け持ちは認められない公算が高い。そのため、ASLにトップクラブを参加させることは国内リーグのレベル低下につながるとして、ASLへの参加に難色を示している国や、アンダー世代のチームを参加させることを検討している国もあると言われている。さらにASL参加クラブは年間700万シンガポールドル(約5億3000万円)程度の予算が必要との見積もりがあり、ラオスやカンボジア、東ティモールのような小国のクラブが参加することは難しいのではないかとの懸念もある。

シンガポールのサッカーファンの間でも、「ASLの運営が成功すれば、国内のクラブに経営や競技レベルなどの点で規範を示すことにつながる」と期待する声がある一方で、「ASLには非常に多くの団体が関わることになり、それぞれが利害を一致させてリーグを継続させることは難しいのではないか」という懐疑的な意見や、「多くの選手がSリーグから離れることになり、シンガポールサッカーのレベル低下は避けられない」と批判する声も多い。

ASLは過去に何度も発足を報じられながら、その度に予定が先延ばしされてきた経緯がある。数々の難問をクリアして、今度こそ開幕までこぎつけることはできるだろうか。

(アジアサッカー研究所/安藤)