/***** OGP *****/ ?>
2015年8月29日 | 台湾
台湾サッカーの育成に、日本高校サッカー界の名将とATHLETAがタッグを組んだ。
さる2015年6月27日と28日に、台湾新竹県にて、「ATHLETA杯 第1届菁英計劃對抗賽」が行われた。直訳すると「エリートプログラム対抗大会」といったところだろうか。
先ず、簡単に台湾のサッカー事情について簡単に触れておくと、FIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは178位、全国リーグ(インターシティフットボールリーグ)こそ存在するもののプロリーグは不在。一部プロクラブ設立の動きも囁かれているが、こちらも未だ存在していない。
新しいニュースとしては、2016年W杯1次予選で同ランキング184位のブルネイ相手に勝利し2次予選進出を決めたことが、台湾サッカー界の大きな出来事になっているところだ。
いわば「サッカー後進国」と言わざるを得ない中、日本の兵庫県滝川第二高校サッカー部(以下、滝二)監督、Jリーグヴィッセル神戸でアカデミー事業本部長を務めた黒田 和生氏が2012年より日本サッカー協会から派遣されている。
サッカー日本代表FW岡崎 慎司(レスターシティ・イングランドプレミアリーグ)ら多くの日本代表選手、Jリーガーを輩出したことでも知られる名将がこの数年間、台湾でU-13・U-18代表監督に就任と並行して、ユース育成統括として台湾の各地域で地道な指導者育成に尽力しているのである。
そして2015年に入り、台湾国内6地域(台北、新竹、台中、高雄、台東、花蓮)で育成した指導者および選抜チームを集めて、目標を「10年後の2025年にアジアベスト4」と掲げた初の地域選抜大会、エリートプログラム大会が実施された。
日本で言えば1977年に発足したナショナルトレセン制度の位置づけであり、オールドファンにとってはかつて三菱養和巣鴨グラウンドで毎年行われ、その後ユース年代の日本代表が世界と戦う窓口となった「全日本選抜中学生サッカー大会」と聞けば想像しやすいだろうか。
その大会に冠スポンサーとして、サッカーブランドATHLETA(以下、アスレタ)が加わった。台北の市街地を見渡せば確かにアディダス、ナイキなどのスポーツブランドやそのショップは存在するが、サッカー用品は殆ど見当たらない中でのスポンサードである。
「もともと台湾はトライしたい市場だった」とアスレタ・千葉 哲哉取締役は意向を明かした。
「規模的にも大手さんがあまり入って来ていない上に、これから台湾に向けて取り組んでいく姿勢を日本協会さんの動きでも感じていた。『面白いぞ』と。そのうえに黒田先生もいらっしゃって、台中の体育大学(台湾体育運動大学・インターシティフットボールリーグ所属)にユニフォームを入れてもらったりして。黒田先生に一度会いに行こうと。すると黒田先生から『育成に力を入れたい』と伺って。」
アスレタは2000年代に入りフットサルのカテゴリーでその知名度を高め、2000年代半ばにジュニア年代への開拓そして浸透、そして2012年の東京ヴェルディ1969を皮切りに現在Jリーグ5クラブへのユニフォームサプライヤーというステップを経ている。そのアスレタが辿って来た軌道は、台湾サッカーの今後と重ね合わせているようにも映る。
「私たちも日本でフットサルや草の根に地道にやって来たように、それと同じやり方で取り組んで行ったらチャンスと思って。先ずはこの大会を成功させたいと。『選抜に選ばれたら、アスレタのユニフォームを着れる』というステイタスを持たせれば。サッカーの普及という意味でも貢献出来たらと思います」。
千葉氏は開会式で子どもたちを前に、「10年後に、日本と一緒にワールドカップに出ましょう」と語った。
>>台湾にサッカーを!高校サッカー界の名将とATHLETAの挑戦(2/3)に続く
(アジアサッカー研究所/田畑)