• コラム

2017年12月31日 | 台湾

台湾プロリーグ設立へ向けて、2018年はさらなる飛躍の年へ

今年2017年は台湾サッカー界にとって素晴らしい1年となったと言える。サッカー不毛の地と揶揄されていた台湾サッカー界であるが、各世代代表の活躍と各種大会のホスト国としてのマネジメント経験の増加により、来年以降の発展を期待せずにはいられない。ここに政府からの支援が組み合わさると、2020年までには念願の「プロリーグ」が誕生するのでは、と現地サッカー関係者は語る。

提供:中華民国サッカー協会

提供:中華民国サッカー協会


■ FIFAランキング史上最高位135位を達成

台湾では体育署(日本でいう文部科学省orスポーツ庁、中華民国サッカー協会の上位機関)の意向(直接的な指示はないが、サッカー協会の予算を担う)がたびたびクローズアップされる。2017年も署長による「FIFAランキング100位以内に!」の発言があり、台湾全体でこのランキングに一喜一憂していたように感じられる。そのような環境において今年のA代表の活躍は目覚ましく、2019AFCアジアカップの3次予選では初戦こそトルクメニスタンに敗れたものの、シンガポールや強豪バーレーンに勝利することでランキングを押し上げることになり、今月に台湾ホームで行われた「CTFA International Tournament 2017」では、フィリピン・東ティモール・ラオスを相手に3連勝し、同大会を優勝で飾った。(A代表が国際大会で優勝するのは遡ること59年前の1958年東京で開催されたアジア競技大会以来)

また、A代表の活躍に触発されるように、AFC U-19選手権2018予選においても、台湾U-19代表はベトナムに1-2で敗れるものの、グループ2位に滑り込み、見事44年ぶりに本大会への出場権を手に入れた。


■ サッカーへの投資が活発化

「6年以内にFIFAランキング100位以内を達成する」という目標を掲げた体育署署長は10年間で約140億円の予算を、今後サッカー普及・選手育成・リーグ戦整備などに充てる予定。すでに今年行われた中学生・高校生の大会に対して、出場チームに1チーム200-300万円相当の補助金を充てたとのこと。これにより参加チームが例年より増加したとの報道があったが、この制度は国内でも賛否両論分かれている。しかしながら、これまでにない規模のサッカーへの投資を見るとプロ化に向けた下準備は着々と進んでいるように感じられる。また先日、日本サッカー協会とパートナーシップを結んだこともプラスに影響されるだろう。それらをさらに後押しできるよう来年以降のA代表を含めた台湾サッカーの活躍が期待される。


台湾サッカーの発展を促したのは間違いなく黒田和生氏(下の写真、右)である。夏のユニバーシアード直前合宿で体調を崩し、そのまま療養を余儀なくされた同氏であるが、約5年半にわたる台湾の任期中に多くの選手、コーチ、サッカー界に好影響を与えたことは、同氏へのお見舞いの人数、手紙、メッセージ動画がそれを証明している。

「夢を持つことの大切さ」を唱え、「アジア四強」を夢に掲げた意志を、台湾の若手コーチが引き継ぎ各地で華を咲かせることを願うばかりである。


提供:中華民国サッカー協会

提供:中華民国サッカー協会



松下 勇亮 (まつした ゆうすけ)

上海・北京・天津・台北・ジャカルタにてサッカースクールの立ち上げに携わる。スクール運営、大会イベント企画運営、遠征コーディネートを中心に、日本・中国・台湾のプロ下部組織、代表チームなどの交流に従事。拠点である台湾では各地域のサッカー委員会の顧問として台湾サッカー発展に注力している。