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2015年3月15日 | アジア

草の根アマチュアクラブが、アジアで国際親善試合!TOKYO CITY F.C.って?

日本の13部にあたる世田谷区リーグに所属するTOKYO CITY F.C.が、北マリアナ諸島のサイパン島で北マリアナ諸島代表チームとの試合を行い、3-0で勝利した。この試合は北マリアナ諸島サッカー協会主催の、立派な国際親善試合だ。

TOKYO CITY F.C.はクラブ名称こそCITYを冠するが、ランパード選手の移籍問題や横浜F・マリノスへの資本参加で話題のシティ・フットボール・グループではない。サッカーも仕事もしっかりと両立できるメンバーが集まって設立され、独自のクラブ観とクラブメンバーによる自治組織の中で運営されているアマチュアクラブである。サッカーというスポーツ(=娯楽)を本気で遊ぶ楽しさを、草の根から発信している。


北マリアナ諸島についての紹介もしておこう。

北マリアナ諸島は、ミクロネシアの14の島から成るアメリカ合衆国の自治領で、サイパン島とその周辺、といえば日本でも分かる人が多いだろう。この地域のサッカーを統括しているのは、北マリアナ諸島サッカー協会(Northern Mariana Islands Football Association、略称: NMIFA)である。

北マリアナ諸島の位置

北マリアナ諸島の位置

同協会は2009年にアジアサッカー連盟(AFC)への準加盟が認められたが、国際サッカー連盟(FIFA)へは未加盟。代表チームはあるもののFIFAワールドカップ予選には出場できないため、地理的な条件も相まって国際試合経験がほとんど積めず、強化が自国内に限られる状況にある。

北マリアナ諸島サッカー協会には、日本サッカー協会(JFA)のアジア貢献活動の一環として、2010年から関口 潔氏(2012年6月〜2014年1月まではラオスサッカー協会技術委員長)が派遣されて、代表監督を努めている。


当然ながら日本サッカー界との繋がりはあるわけだが、日本代表やJクラブを呼ぶほどのお金はないし、日本チームのスポンサーへメリットを出せるだけのマーケットも無い。そもそも日本のトップチームでは実力差がありすぎる。思案した関口氏は、交流のあったTOKYO CITY F.C.クラブ代表の山内 一樹氏(本業は、株式会社大学スポーツチャンネル取締役)へコンタクトを取った。初めは日本の大学チームを呼べたら、強化試合として良いバランスになるのではないか?との考えもあったようだ。

しかし、そこはサッカーを本気で遊ぶチーム。メンバーは「自分たちで行ったほうが楽しくないか?」と、二つ返事で自チームでの参加を決めた。遠征費は全てメンバーの自腹。20代の起業家やデザイナーなど個人事業主の集まりのため休暇も自分で調整できる。経済的に自立しているクラブだからこそ成し得ることができる遠征だった。山内代表は、「僕たちのような小さなクラブでも、世界と交流できるチャンスがあることを知ってもらいたい」と語る。

この試合は、Jリーグのアジア戦略とは無縁のグラスルーツの交流戦だ。だがこのような交流が増えていけば、アジアと日本のサッカーの交流も更に活性化し、また日本のアマチュアクラブの活動領域を広げる一つのアイディアになるのではないか、と思わせるナイストピックである。

(アジアサッカー研究所/長谷川)