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2015年4月27日 | ベトナム

笑顔がキュートな元ベトナム女子代表、23歳で引退して日本留学を決意、夢は日越サッカーの架け橋

仁川アジア大会でのファム・ホアン・クイン

ベトナム女子リーグのベトナム炭鉱産に所属する元ベトナム代表MFファム・ホアン・クインがこのほど、現役引退と日本留学を発表した。同選手はまだ23歳。先日終了した今季のリーグ戦前期日程でもチームの主力として活躍していただけに、今回の突然の引退報道に多くのファンやサポーターがショックを受けている。

東北部クアンニン省出身のファム・ホアン・クインは、15歳のとき地元のベトナム炭鉱産に入団。17歳でトップチームに昇格すると、翌2010シーズンからレギュラーに定着。持ち前の高いテクニックと戦術理解力で、主にボランチとしてチームをコントロール。ときにはサイドハーフで起用されることもあった。2012シーズンにはリーグ優勝も経験している。

2010年にはU-19ベトナム代表に選出され、ホーチミン市で開催されたAFC U-19女子選手権決勝リーグで、田中陽子(ノジマステラ)や京川舞(INAC神戸)、仲田歩夢(同)などを擁したヤングなでしこと対戦。

その後、ベトナム女子代表にも安定して選出されるようになり、2012年AFF 女子選手権優勝、2013年東南アジア競技大会(SEA Games)銀メダル、2014年仁川アジア大会(Asiad)ベスト4など、「ゴールデンガールズ(ベトナム女子代表の愛称)」の一員として華々しい成果をあげてきた。

しかし、同選手は以前から日本に強い憧れを抱いており、23歳というサッカー選手として、まさにこれからという時期に引退と日本留学を決意した。日本語はこれまで独学で勉強し、ひらがな・カタカナの読み書きは既に出来るようになっている。

ファム・ホアン・クイン

ファム・ホアン・クイン

ファム・ホアン・クインは、「日本語だけでなく、日本の文化や日本サッカーについて様々なことを学びたいです。留学を決めたときは、“なぜこの時期に?”“馬鹿なことを”などと言われてみんなから反対されました。それでも、代表チームで最も親しくしているグエン・ティ・ミン・グエット(代表のエースストライカー)は、“いつも応援している。夢を叶えてほしい”と言ってくれて、とても嬉しかった。」と語った。

ベトナムと日本は近年、リーグおよび協会同士がパートナー協定を締結。昨年は男子代表監督に三浦俊也氏が、今年は女子代表監督に乗松隆史氏が就任するなど、日越サッカーの協力関係はますます深まっている。

「サッカーに詳しい日本人の友人が、日本のクラブ運営を間近で学びながら、またサッカー選手としての体力を維持するためにも、日本のクラブの練習に参加してはどうかと勧めてくれました。今、その友人と一緒に留学先や練習参加できる日本のクラブを探しています。いつかベトナムサッカーと日本サッカーの架け橋となれるように頑張ります。」

ファム・ホアン・クインは、10月に日本の関西地方の日本語学校に留学する予定で、現在はハノイ市で日本語を勉強中だ。

(アジアサッカー研究所/佐藤)